|
重度肥満の2型糖尿病患者には標準的な薬物療法よりも減量手術がより効果的であることが、国際的な分析研究で示された。手術を受けた患者のすべてが最終的には糖尿病治療薬の服用を停止、大多数で完全寛解(remission)がみられたという。
研究指導著者である米ニューヨークプレスビテリアンPresbyterian病院/ワイルコーネルWeill Cornell医科大学(ニューヨーク)のFrancesco Rubino博士は、「肥満手術が糖尿病コントロールに効果的なことは長年知られているが、今回、手術と標準的治療の比較においても、手術がはるかに優れていることが示された」と述べている。この知見は米医学誌「New England Journal of Medicine」オンライン版に3月26日掲載されると同時に、シカゴで開催された米国心臓病学会(ACC)次集会でも報告された。
この研究はローマで実施されたもので、Rubino氏およびイタリア、ローマカトリック大学の共同研究者らは、ボディ・マス・インデックス(BMI)35以上の2型糖尿病患者60人(30~60歳、少なくとも5年間の糖尿病病歴を有する)を2年間追跡。患者の3分の1は、従来のインスリン治療や他の血糖降下薬による治療を受け、食生活/ライフスタイル(生活習慣)を修正する群にランダムに割り付けられ、残り2群はルーワイ胃バイパス術(LRYGB)または胆膵バイパス術のどちらかの肥満手術を受け、ビタミンおよびミネラルを補給するレジメンに従った。
その結果、手術群全員が15日以内で糖尿病治療薬の服用を停止することができ、2年後の時点で、ルーワイRoux-en-Y胃バイパス術群の4分の3で糖尿病が寛解し、少なくとも1年間、空腹時血糖値が100mg/dl未満、ヘモグロビンA1c(HbA1c)が6.5%未満となった。膵胆バイパス術群では95%に同様な結果がみられた。一方、標準的治療群では寛解例は1人もなかった。またBMI値、糖尿病の履歴、手術後の体重減少、年齢、性別は、寛解に向かうかどうかに影響しないことがわかった。
Rubino氏は「2年間と短く、小規模な研究ではあるが、手術の効果はすぐに現れ、標準的治療に比べ大幅な改善が得られるチャンスがはるかに大きいのは明らかである」と述べている。また標準的治療での問題、例えばインスリン治療が体重増加をもたらす可能性があり、これは糖尿病に対してマイナスの影響となる点も著者らは指摘している。
米ニューヨーク大学ランゴンLangone メディカルセンターのLoren Wissner Greene氏は、「特に膵胆バイパス術後の糖尿病の寛解は非常によいエビデンス(科学的証拠)といえ、レプチンやグレリンなどの消化管ホルモンに影響を与えた可能性もある」と指摘。「手術前に高血圧や肥満関連睡眠時無呼吸などの問題があると、可能な肥満手術のタイプが限られるが、手術が可能であるならば、非常に優れた方法といえる。手術は非常に高額となるが、高価な糖尿病治療薬を長年使用するよりも安いかもしれない」と述べている。(HealthDay News 3月26日)
http://consumer.healthday.com/Article.asp?AID=663083 Copyright (c) 2012 HealthDay. All rights reserved.
|