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遺伝子変異が自閉症発症の鍵となる可能性(2012.4.12掲載)

自然発生的に生じる遺伝子変異が、自閉症スペクトラム障害の発症に重要な役割を担う可能性のあることが3チームによる新しい研究で示され、英科学誌「Nature(ネイチャー)」オンライン版に4月4日掲載された。

3チームはそれぞれ、家族性ではなく散発性(sporadic)の自閉症児の遺伝子配列を調べたところ、遺伝子機能に混乱をもたらすと予測される自然発生的な変異が全体で数百個同定された。そのほとんどは単一患者(single patients)にしか認められず、また幸いにも変異遺伝子の多数が、少数の経路(例えば発達や認知に関与するもの)にしか属さないと考えられるという。このことから、多様な遺伝子セットの変異が、類似する生物学的影響をもたらすことが示唆される。

米ワシントン大学(シアトル)教授のEvan Eichler氏らの研究では、自閉症児とその家族の血液およびDNAを収集する全米プロジェクト“Simons Simplex Collection(SSC)”のサンプルを利用し、散発性自閉症児をもつ209家族の677人について検討。その結果、重大な影響が予測される遺伝子変異が126個見つかった。

米エール大学(コネティカット州)のグループによる別の研究では、SSCから238家族(一部はEichler氏らの研究と重複)について検討。その結果、遺伝子の読み込みに変化をもたらす可能性のあるde novo(新規発生)変異が、自閉症児で125個、自閉症でない兄弟姉妹では87個同定された。

さらに、米ハーバード大学医学部(ボストン)などのチームが自閉症児をもつ175家族を対象に実施した別の研究では、小児の半数弱に遺伝子の読み込みを変化させる変異がみられ、その比率は自閉症児と自閉症でない兄弟姉妹との間で同程度であることがわかった。

これらの研究から、Eichler氏は「de novo変異の頻度は自閉症児で有意に高いわけではないが、自閉症でない兄弟姉妹に比べて自閉症児では偶発的に発生する変異の有害性が高いことが示される」と述べている。また、de novo変異は父親から受け継がれたDNA鎖に存在する確率が4倍高く、父親の年齢とともに増大することも判明した。

また、今回の3件の研究から、自閉症スペクトラム障害の危険因子(リスクファクター)となる可能性が高い遺伝子変異としてCHD8およびKATNAL2の2つが浮上した。この2つは、2人以上の患者で見つかったもので、遺伝子発現、細胞の増殖および分化の制御に普遍的な影響を及ぼす可能性がある。Eichler氏のチームは、この2個を含めた49個のde novo変異が、同じ生物学的経路に属することを発見した。

Eichler氏は「今回の研究は、自閉症スペクトラム障害が遺伝と環境の複雑な相互作用によるものであることを浮き彫りにすると同時に、同疾患が多数の異なる経路の遺伝子が関与する複数の障害グループであることを想起させるものである」と指摘。別の専門家は、さらに大規模な解析が実施されれば、個人のリスクの特定を可能にする統一原理(unifying principle)が明らかになる可能性があると述べている。(HealthDay News 4月4日)

http://consumer.healthday.com/Article.asp?AID=663447
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