|
糖尿病網膜症治療には依然レーザーが最善(2010.1.28掲載) |
ステロイドの眼への注射は糖尿病網膜症の進行を遅らせるが、ステロイドによる副作用を考慮すると、糖尿病に関連する眼疾患の治療には依然レーザー治療が第一選択であることが新しい研究で示された。
この研究は米ジョンズ・ホプキンス大学医学部(ボルティモア)ウィルマーWilmer眼研究所の研究者らによるもので、黄斑浮腫を伴う糖尿病網膜症の患者693人に対し、副腎皮質ステロイドを4カ月ごとに眼に注射する、あるいはレーザー光凝固術治療を行ったもの。患者の平均年齢は63歳であった。
網膜症は糖尿病による長期の合併症で、失明につながる。黄斑浮腫は、体液の漏出により網膜の中央にむくみが生じるもので、視覚への影響はさらに大きい。網膜症は徐々に増殖性糖尿病網膜症(PDR)へと進行する。増殖性糖尿病網膜症は異常な血管が眼の後ろの視神経上に増殖するもので、視神経は網膜から脳や網膜の他の部位へ情報を伝達している。研究著者らは、ステロイド治療が糖尿病網膜症の進行リスクを低下させることを発見したが、黄斑浮腫進行の予防にはならなかったという。
また、ステロイドは患者の視力を向上させたが、レーザー治療より結果が良いわけではなかった。「眼へのステロイド使用は緑内障や白内障など他の眼疾患のリスクを高めるため、レーザー治療が現時点での選択肢である」と筆頭著者で同研究所教授のNeil Bressler氏は述べている。
「ステロイドは効果があるが、安全性の問題から、現時点では日常的には勧められない。レーザーで安全かつ効果的に治療できる」と同氏は述べている。この知見は、医学誌「Archives of Ophthalmology(眼科学)」12月号に掲載された。
増殖性糖尿病網膜症患者は、米国で約70万人に上り、毎年6万3,000人が新たに診断されている。副腎皮質ホルモンは有害な新しい血管の増殖を促進する化合物の生成を減少することで、網膜症の進行を遅らせるとみられている。ステロイドが緑内障や白内障のリスクを増加することなく、治療に用いられるかどうかを決めるには、さらなる研究が必要だと著者らは述べている。(HealthDay News 12月31日)
http://www.healthday.com/Article.asp?AID=634464 Copyright (c) 2010 ScoutNews, LLC. All rights reserved. |